歌を歩く〜風の靴をはいて〜

「風の良寛」 「越後望郷」 「イスタンブール」 「歌を歩く」 「人生の帰り道」 「唄いそびれた夜を探しに」

CD「歌を歩く」

ガンダーラ平野 堕ちても枯れても 郷愁 センビオーズ(共生)
DANCE OR DIE カウンターバー 黒髪ゆらせた風 市民卓球大会
蒼い風 FRONTIER SPIRITS カタクリの花 ライブ酒場

CD『歌を歩く』

市民卓球大会

[作詩・作曲]藤本すすむ

 
六月の日差しが差し込んでいる 市民体育館
あわただしい仕事も忘れて今日は 市民卓球大会
多摩スポーツでラバー張替え 今回こそはと意気込んでいる
予選リーグで成長株の 丸山君に負けた 「チクショウ」
足元にコロコロコロと ボールが転がってくる
「すみませーん」 女の子がちょこんとおじぎをする


親子で出場の古谷さん 心配そうに見守っている
小学生の部のコートでは 武彦君の試合
ビデオ撮影に熱心な お父さんの横で
「ガンバレ、ガンバレ!」 おばあちゃんも応援している
七十過ぎの日野さんはラージボールの審判長
景品並んだ本部席で 松山さんは何枚も賞状を書いてる


二十年ぶりにラケットを握ってからもう八年
2.5グラムのオレンジボールがたくさんの人出会わせた
宿命のライバル戸谷さんも シップを腰に張り頑張っている
二人で組んだダブルス大会 僕らは準優勝
卓球にやきもちの奥さんのこと 目指すは東京選手権
笑いの止まらぬ彼はしゃべり ぼくはチュウハイ七杯飲んだ


隣町から毎週コーチに来ている 斉藤さんが癌で倒れ危なかったとき
みんなでラケットに寄せ書きをして お見舞いに届けた
入院中も斉藤さんが考えていたのは 卓球と仲間のことばかり
奇跡的に元気になり 来週またコーチに来る
打ち込めるものがあるってことは 素敵な仲間がいることは
かけがえのない喜びだよね 卓球が病に勝った


ベストエイトまで勝ち上がり 念願の賞状が懸かってる
敵は声の出ない障害者 試合はシーソーゲ−ム
ぼくがエッジでポイントすると彼はその場所指差し
あごをしゃくりあげ悔しがる 声にならない声で
甘いボールを打ち込まれ 僕は「まいった」と声を出す
彼はうなづき目元を崩し 得意気な顔をする


僕のドライブ攻撃が かすりもせずに決まる
後ろに転がってゆくボールを 彼は拾いに行く
試合終えた車椅子の 彼の仲間たちが
「ドンマイ、ドンマイ」 うつむく彼に声を掛けている
セットオール 7対9 僕はリードされてる
勝負はこれから 勝負はこれから
力を抜いて強気で攻めるんだ


勝負はこれから 勝負はこれから
力を抜いて強気で攻めるんだ
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「スマッシュ!」
 
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